不動産売却で土地と建物の価格を按分するときのポイント
2020/11/10
不動産取引においては、土地と建物をまとめて売却するケースがよく見られます。
しかし、実際には土地がいくらで建物がいくらとは厳密に言えないものです。
このような不動産を売買するとき、取引代金をどのように按分するのか、気をつけたいポイントを解説します。
不動産売却で按分する際に知っておくべきポイント
不動産売却の代金は、土地部分は消費税非課税、建物部分は消費税の課税対象となっています。
売り手にとっては、土地価格の割合が多ければ多いほど、手元に残る金額が高くなるということです。
一方買い手にとっては、建物の割合が多いほうが有利になります。
建物は時経つうちに価値が下がり減価償却されるため、購入経費を節税対策に利用できるからです。
このようなポイントを知っておけば、慎重に按分するべき理由も見えてくるでしょう。
なお、個人間でおこなう不動産売買の消費税に関しては、土地・建物ともに非課税となっています。
不動産の売却における按分方法
国税庁では、土地と建物の按分に際し、以下の方法を推奨しています。
・譲渡時における土地及び建物、それぞれの時価比率による按分
・相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分
・土地及び建物の原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費、支払利子などを含む)を基にした按分
具体的には次のような方法で、売却時の価格を按分できます。
<売買契約書に記載がある場合>
不動産取得時の契約書に割合が記載されていれば、それにしたがって按分します。
金額だけしか記載がなくても、消費税額がわかれば割合を算出できます。
消費税額 ÷ 消費税率 = 建物部分の価格
上の式に当てはめると、消費税額が50万円、当時の税率が5%であれば、取引額のうち1,000万円は建物の価格であることになります。
<固定資産税評価額の比率で按分する>
購入当時における固定資産税評価額の比率で、土地と建物の価格を決める方法があります。
たとえば、土地が50万円、建物が150万円なら、土地:建物の比率は1:4です。
取引の総額を2,000万円とするならば、土地400万円:建物1,600万円となります。
固定資産税評価額は各都道府県税事務所で管理していますが、古い物件の場合には記録が残っていないこともあります。
<再調達原価で按分する>
「今同じ建物を取得するにはいくらかかるのか」という再調達原価により算出する方法もあります。
建物の原価については、経過年数に応じた減価償却費の総額を取得費から差し引いて求めます。
なお、標準的な建築価額は構造(木造やRC造など)によって異なりますので、ご注意ください。
まとめ
不動産売却の際には知っておきたい、土地と建物を按分するポイントと按分方法を解説しました。
正当な理由があれば、どの方法を使用してもかまいません。
売り手と買い手、双方が納得できるやり方で不動産売却を進めましょう。
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