民法改正による不動産売買での瑕疵担保責任の見直しについて解説!
2019/10/22
2020年4月に民法が大きく改正されることをご存じでしょうか。
明治時代に制定された民法が約120年ぶりに改正されることが決まっているのです。
今回の民法改正では、「債権」に関する項目が大幅に見直されます。
不動産売買においても、瑕疵担保責任の内容が大きく変更されることになりました。
この記事では、不動産売買で見直された内容の概要と、変更のポイントを解説します。
民法改正の概要:不動産売買における瑕疵担保責任の見直し
今回の民法改正により、不動産売買における売主の「瑕疵担保責任」がなくなり、「契約不適合責任」という考え方に変わります。
現在の民法では売買の際、不動産に「隠れた」瑕疵がありそれが発覚した場合に、買主は売主に損害賠償を請求できます。
しかし今回の民法改正では、売買した不動産が契約内容に「合致していない」場合に、買主は売主に損害賠償を求めることができるようになるのです。
一見同じような内容に感じますが、改正後は売主の責任が大きくなっているのがポイントです。
民法改正のポイント:不動産売買における瑕疵担保責任の見直し
ここでは、契約不適合責任の以外の民法改正による変更ポイントをみていきます。
<買主が知っていた瑕疵に対しても責任を負う>
現在の瑕疵担保責任では売主が把握できていなかった「隠れた瑕疵」に対して責任を負うことになっていましたが、民法改正後は買主が購入前から認知していた瑕疵に対しても売主が責任を負うことになります。
たとえば、売主の知らない床の腐食があったとします。
改正前は、買主が床の腐食について知っていたのに腐食を指摘せずに売買契約をしてしまった場合、「隠れた瑕疵」の立証が困難なため、床の腐食の瑕疵担保責任を売主に問うことは難しいとされてきました。
しかし、改正後は、床の腐食について売買前に知っている・知らないにかかわらず「床の腐食がない建物」という契約を結んでいれば、売主の責任を追及することができるのです。
<買主の売主に対する請求権が4つに>
今までは購入した不動産に瑕疵が発覚した際、買主は売主に「契約の解除」か「損害賠償の請求」のうちどちらかしか請求できませんでした。
しかし民法改正後は、買主は売主に対して修理するよう請求する「追完請求」と自分で修理する代わりに物件代金の減額を売主に請求する「代金減額請求」ができるようになったのです。
<売主の責任期間が延長になる場合がある>
売主が物件の瑕疵について知っていたもしくは知らないことについて売主に重大な過失がある場合、責任を負う期間が延長される場合があります。
通常の個人間売買では、売主が責任を負う期間は買主が瑕疵を知ってから1年間ですが、これからは一般的な消滅時効の5年間責任を負うケースも出てくるのです。
まとめ
2020年の民法改正により、売主の責任範囲及び、買主の権利が拡大することが決まっています。
売りたいと思っている物件があるようでしたら、改正前に売却するのもよいアイデアでしょう。
一方、買いたい家がある場合は、改正後まで購入を待つのも悪くありません。
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