取得費加算の特例とは?計算方法と適用要件をご紹介
2019/09/24
ご家族が亡くなって不動産を相続したものの、使用することがない場合、売却を検討される方が多いでしょう。
しかし、相続税を支払うために相続した不動産を売却したら、譲渡所得税まで支払うことにならないように、取得費加算の特例があります。
正式名称は「相続税が取得費に加算される特例」または「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」ですが、ここでは「取得費加算の特例」と紹介させていただきます。
今回は、そんな取得費加算の特例の適用要件について解説します。
相続した不動産を譲渡する!取得費加算の特例とは?
取得費加算の特例とは、相続税相当額を譲渡所得から控除できる制度です。
相続した不動産は、一定期間のうちに売れた場合に取得費加算の特例が適用されます。
これは、相続税と譲渡所得税の2つを次々と課されないようにする特例です。
詳しく解説すると、相続した不動産を一定期間のうちに売った場合に、相続税の中で一定の金額を譲渡資産の取得費に加えて計算できる制度を指します。
取得費に加えて計算できる相続税の金額は、売った不動産に対する相続税です。
受け継いだ不動産をすべて売った場合には、相続税の全額が取得費に加えて計算できます。
また、一部を売った場合の取得費に加算される額は、以下のように算出が可能です。
納めた相続税の金額×相続した財産の中で売った不動産に対する相続税評価額/債務控除前の金額
ちなみに、受け継いだ不動産の取得費は、財産を遺した人から相続人へと受け継がれます。
要するに、受け継がれた取得費に相続税の金額を加えたのが、控除可能な取得費になるのです。
相続した不動産を譲渡する!取得費加算の特例の適用要件とは?
これまで解説してきた「取得費加算の特例」を受けるには3つの適用要件があります。
・特例の適用要件①
相続または遺贈によって財産を取得していること
大前提の要件として、被相続人から遺産である不動産などの財産を受け継ぎ、取得している必要があります。
・特例の適用要件②
相続税が課されていること
取得した不動産などの財産に相続税が課されていることも重要な要件になります。
・特例の適用要件③
相続が開始された日の次の日から相続税を申告する期限の次の日以降3年が経つ日までに譲渡が完了していること
相続税を申告する期限は、遺産を遺した人がなくなった事実を知った日の次の日から10か月以内となります。
したがって、取得費加算の特例を受けるには相続したあと3年と10か月以内に不動産を売る必要があるのです。
まとめ
相続した不動産は、一定期間のうちに売れると取得費加算の特例が適用されます。
相続した不動産を売却しようか検討されている方は、取得費加算の特例の計算式や適用要件を確認してみてください。
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